「息子が被災…助けて」震災詐欺ばあさん逮捕

 「息子が東日本大震災で被災して、生活に困っている。お金を貸してほしい」などとウソをついて面識のない女性から現金2万5000円をだまし取ったとして、警視庁田園調布署は22日までに、東京都大田区の無職・渡辺泰子容疑者(69)を詐欺の疑いで逮捕した。同署によれば、渡辺容疑者には息子はいるが、東北地方とは無関係で被災した事実はないという。同容疑者は田園調布の住宅街で、同様の手口を繰り返していた可能性もあり、同署で調べを進めている。

 渡辺容疑者の逮捕容疑は6月上旬の朝、大田区在住の主婦(50)の自宅を訪ねて「近所の者です。石巻市にいる息子が被災してしまった。息子の嫁は震災から49日目に遺体で見つかったんです」「息子の娘が病気で手術するため、お金が必要。年金で返すから貸してほしい」と頼み、現金をだまし取った疑い。

 気の毒に思った主婦は、顔見知りでもない渡辺容疑者に、その場で2万円を手渡した。同容疑者は感謝の気持ちを伝えて立ち去ったという。

 その翌日、渡辺容疑者は再びその主婦宅に現れた。「年金を受給するための費用として4万6800円が必要なんです。もう1回だけ助けてください」。主婦は「足しにしてください」とさらに5000円を手渡した。

 しかし、何日待ってもお金を返しに来ない。おかしい、と気づいた主婦は6月下旬に同署へ被害届を提出した。今月15日に逮捕された渡辺容疑者は「借りた金は生活費に使ったが、返すつもりだった」と容疑を否認している。

 渡辺容疑者は犯行現場から徒歩数分の賃貸アパートに独り暮らしで年金で生活していた。同署によれば、息子はいるが、震災の被害は受けた事実はないという。

 近隣の住民の話によると、渡辺容疑者は同様の手口で呼び鈴を鳴らしまわっており、濃い口紅などで厚い化粧をして家庭訪問する「震災詐欺ばあさん」として口コミで警戒が広がっていた。身分証明書として病院の診察券を見せて安心させたこともあったという。

 3000円を貸したという別の主婦のところには、後日、渡辺容疑者が、お礼としてカニ缶やミカン缶を持って現れたことがあったという。だが、金は返さず「あと1000円貸してほしい」とせがまれ、この主婦はまた渡してしまったという。

 被害届が出ているのは2万5000円をだまし取られた1件だけだが、良心につけ込まれた被害者は、ほかにもいる模様だ。

(2011年7月23日06時01分 スポーツ報知)

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