不正引き出し:高齢者使い被害3000万円 福岡で相次ぐ

 北九州地区の郵便局で、高齢者を使って他人名義の口座から現金を不正に引き出す事件が相次いでいることが、捜査関係者などへの取材で分かった。被害は判明分だけで約3000万円に上る。福岡県警は、面識のない高齢者を利用した悪質な詐欺、窃盗事件とみて捜査している。

 関係者によると、6月21日午後、福岡県苅田町の小波瀬(おばせ)郵便局に70代くらいの女性が1人で訪れ、北九州市門司区の女性(84)名義の通帳と印鑑、保険証を示して約50万円を引き出そうとした。女性が「通帳は自分の物ではなく、外にいる男に頼まれた」と話したため、職員が男を連れてくるよう依頼。女性は外に行って戻ってきたが、男は現れず、局員が警察に通報した。女性は男と面識がなく、通帳や印鑑は盗まれたもので、女性は認知症の疑いがあるという。

 事件後、県警が近隣の郵便局に注意を促したところ、前日の20日に福岡県行橋市の行橋郵便局に高齢の女性と若い男が一緒に現われ、北九州市小倉南区に住む女性(94)名義の通帳から約950万円を引き出そうとしたことが分かった。孫を自称する男は「祖母は認知症だ」と話したが、女性が「私の通帳ではない」と言ったため、職員が身分を証明するものの提示を求めると、姿を消したという。

 その直後、小倉南区の曽根郵便局でこの通帳を使って950万円が下ろされていた。また数日前に、行橋郵便局で高齢女性が約500万円を引き出していた。

 さらに27日には、北九州市門司区の女性(78)宅で通帳などが盗まれ、約1600万円が引き出される事件が起きた。直前に2人組の男が自宅を訪れており、県警は、女性が応対中に通帳などが盗まれたとみている。

 郵便局株式会社九州支社(熊本市)は29日、高齢者を使った事件の発生と注意喚起のメールを福岡県内の郵便局に送信した。今後、注意喚起の範囲を九州全県に広げることも検討している。県警は「通帳を盗んだだけでなく、郵便局で疑われないよう高齢者を貯金引き出しに使った悪質な犯罪」として捜査している。【反田昌平、松田栄二郎、高橋克哉】

2011年7月2日 2時30分

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