架空請求詐欺、「私設私書箱」を送金先に悪用 県内3件被害

 サイト利用料名目で金をだまし取る架空請求詐欺の被害で、現金の受け渡しに民間業者が開設した「私設私書箱」が利用されるケースが県内で3件あったことが20日、県警振り込め対策室の調べで分かった。被害額は計約334万円。私書箱を設置している郵便局には防犯カメラがあるケースが多いが、私設私書箱は防犯カメラで監視されていない場合が少なくない。県警は、より犯人の姿が見えにくい私設私書箱が利用されたとみて調べている。

 同室によると、岡谷市の30代女性はことし5月、携帯電話に「サイト利用料の未納」を知らせるメールが届き、その後の電話で男から「払わないと裁判を起こす」などと言われたため、都内の私設私書箱に2回に分け計約200万円を郵送したが、架空請求だと気付き、岡谷署に被害届を出した。

 同様にサイト利用料名目で、6月に松本市の男性が約51万円、8月にも同市の別の男性が約83万円をそれぞれ都内の私設私書箱に郵送し、だまし取られた。2人とも松本署に被害届を出している。

 同室によると、犯行に使われた私書箱を開設している業者は特定できているが、その私書箱の利用者は偽名などで契約している可能性もあり判明していない。

 一方、私設私書箱で振り込め詐欺の犯行に使うための通帳やキャッシュカードの受け渡しが行われるケースがあったことも判明。犯行に使われると知りながら口座を開設して通帳をだまし取ったなどとして県警が詐欺などの疑いで摘発した19人のうち、10人が私設私書箱に通帳などを郵送していたことも分かった。

 架空請求詐欺を含む振り込め詐欺では、現金のやり取りは現金自動預払機(ATM)を介したり被害者宅に直接回収に訪れるケースがある。県警は、ATMは引き出す際に防犯カメラによって犯人の顔が分かり、自宅回収だと顔が見られてしまうが、私設私書箱は犯行の姿が見えにくいため、最近になって犯行グループが活用しているとみる。

 2008年全面施行の犯罪収益移転防止法は、振り込め詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)などでの悪用防止のため、私設私書箱業者に利用者の本人確認などを義務付けている。今回の犯行に利用された私書箱を提供している都内の業者の1社は取材に対し、「免許証や保険証などで本人確認をしている」と説明。ただ、「詳しい利用目的までは尋ねない。利用者にうそをつかれれば調べようがなく、難しい」と話した。

 県警は今回、被害金などが郵送された私書箱を開設する業者に対して、利用規約に基づく解除依頼などを要請した。同室は「『私書箱に送金しろ』という指示には従わないでほしい。通帳などを犯人に提供することは犯罪に当たる」としている。

(12/21 08:30)

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