タクシーと連携 「受け取り型」振り込め詐欺防止

 富士市で13日に発生した「現金受け取り型」の振り込め詐欺。県警は犯人が直接被害者宅などを訪れる受け取り型の振り込め詐欺が増え始めた2011年1月、県タクシー協会に要請文を出していた。不審な客が乗車した際の通報などを依頼する内容。富士市の事件は、タクシー運転手との連携が摘発につながった好事例となった。

 県警によると、受け取り型の振り込め詐欺は、犯人がタクシーで移動するケースが目立つという。4月に菊川署が被害者にだまされたふりをしてもらい摘発した事件では、現金を取りにいく受け子の大学生がタクシーで被害者宅を訪れた。静岡南署が3月に容疑者を現行犯逮捕した事件でも、移動にタクシーが使われていた。

 受け子は県外から訪れることが多い。捜査関係者は「レンタカーを借りれば身元が割れる。土地勘もないため、タクシーを使うのだろう」と推測する。

 タクシーとの連携は、だまされた人への注意喚起にも有効だ。3月には、静岡市清水区で、運転手が金融機関へ送り届けた客に声掛けをして被害を未然に防いだ事例もあった。

 県警の担当者は「こうした事例が増えれば、静岡では犯行がやりにくいというイメージが広がる」と話した。

 頻繁に電話でピン 富士、お手柄運転手

 富士市の事件で容疑者逮捕に貢献した同市吉原のタクシー会社「トンボ交通」の運転手渡辺時男さん(64)は、受け子役の男がタクシーに乗っていたわずか5分の間に詐欺の思惑を見抜いた。渡辺さんは14日、静岡新聞社の取材に対し「落ち着きがなかったり、土地勘がなかったりした点が怪しかった」と語った。

 渡辺さんは13日午後3時ごろ、同市のJR吉原駅で男を乗せた。行き先について男は住所を告げるだけ。名前を尋ねても答えられなかった。車内では携帯電話が頻繁に鳴り、男は「まだです」「もう少しです」などと慌てて応えていたという。

 振り込め詐欺のニュースを見ては、警戒感を強めていたという渡辺さん。「営業マン風の外見や挙動不審から『もしかしたら』と思った」と振り返る。タクシー下車後、道に迷った様子の男の付近には、別の不審な男の姿もあった。渡辺さんは確信を強め、富士署吉原駅前交番に駆け込んだ。

 同署の戸塚静雄副署長は「機転の利いた対処に大変感謝している。特徴を覚えて素早く通報してくれたことが逮捕につながった」と感謝した。

@S[アットエス] 5月15日(水)8時11分配信

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