あなたも被害者になり得る… 巧妙化する特殊詐欺、被害件数急増

オレオレ詐欺や架空請求詐欺といった、特殊詐欺の被害件数が県内で急増している。今月7日には、沼津市の50代女性が現金約1億4千万円をだまし取られる過去最悪の被害も発覚。特殊詐欺の大半は電話を舞台に行われ、心理学的なテクニックを悪用するなど、詐欺グループの手口は巧妙化する一方だ。専門家は「高齢者だけでなく、誰もが特殊詐欺の被害者になり得る」と警鐘を鳴らす。

「比較する音声がない電話では、自分の想定した相手と似ていない点は無視してしまう『確証バイアス』が働きます」

県司法書士会館(静岡市駿河区)で15日に開催された、「特殊詐欺対策シンポジウム」。講師を務めた立正大心理学部の西田公昭教授は、心理学の観点からオレオレ詐欺に引っかかる原因を説明した。

◆「自分に限って」

西田教授が大学生を対象に行った実験では、事前に「後で電話する」とメールを送った上で、声質の似た別の人間が「わたしだけど」と電話すると、13人中8人が電話相手を誤認した。西田教授は、「『高齢者だからだまされる』というのは偏見に過ぎない。特殊詐欺には、年齢に関係なく相手をだます巧妙な仕掛けがある」と指摘する。

特殊詐欺に使われるテクニックはこれだけにとどまらない。詐欺グループは「自分に限って詐欺に遭うわけがない」と思い込む、被害者の「正常性バイアス」を巧みに利用。いきなりカネを要求するのではなく、複数の立場の人間が入れ替わり電話をかけることで、リアリティーを演出するのが常套(じょうとう)手段だ。被害者は半ば怪しみながらも、「ここまで準備したのだから」と「コミットメント効果」で初対面の相手にカネを手渡してしまうという。

◆昨年、総額7億円

県警生活安全企画課によると、昨年は県内で315件(前年比100件増)の特殊詐欺被害が発生。被害総額は約7億円で、ピークの平成25年(約12億7千万円)からは2年連続で減少した。だが、県警が認知した詐欺の疑いのある不審電話は4204件と、前年の約1・5倍に増加している。

一方で、詐欺グループの摘発はいたちごっこが続いている。被害者の自宅などに現金を受け取りに来る「受け取り型」の手口は26年には56件だったのに対し、27年には約3倍の160件にまで急増。県警は「だまされた振り作戦」で検挙を進めているが、アルバイトで雇われた「受け子」が多く、詐欺グループの主犯格を突き止めるのは至難の業だ。同課の松下俊輔・犯罪抑止対策課長補佐は「不審電話を識別できる『迷惑電話チェッカー』の設置など、家庭でも自衛策を講じてほしい」と話している。

産経新聞 3月19日(土)7時55分配信 元の記事

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