<交際あっせん詐欺>愛知の60代、泥沼2031万円失う

 女性を紹介するとだまされ2031万円を失ったとして、愛知県警に被害届を出した同県半田市の60代の会社員男性が毎日新聞の取材に応じ、泥沼にはまった状況を証言した。金を振り込んだ口座は別の特殊詐欺の振込先にもなっており、同一グループが複数の手口で詐欺をしていた疑いが浮かび、愛知県警などが捜査している。【金寿英、斎川瞳】

 ◇「女性紹介」信じ 振込先口座、別の特殊詐欺にも

 男性は2015年2月ごろ、スポーツ新聞の広告に目を留めた。「紹介する女性と付き合うともうかる」。交際クラブとうたい「アンティーク」という会社が募集していた。

 男性が半信半疑で電話すると、40代女性との交際を勧められ、独占契約の権利金などとして54万円を支払えば女性から108万円をもらえると言われた。消費者金融で工面し、名古屋駅近くのホテルで社員を名乗る男に小柄な女性を紹介され、6万円を受け取った。

 「女性はあなたを気に入ったが交際には保証金が必要」。男の「いつでも返金される」との言葉を信じた。保証金はつり上がり、15年4月~今年1月に指定された20口座へ少なくとも計4290万円を振り込んだ。

 2月、神奈川県警から「振り込んだ口座は詐欺に使われている」と連絡があり、ア社に返金を求めたが、担当者は「必ず返す」と言ったきり音信不通に。契約書の住所にア社は存在しなかった。6月に振り込み明細が残る分の被害届を出した。

 男性は「軽い気持ちで始め、金を取り戻したい一心で深みにはまった」と振り返る。消費者金融で借金を繰り返し、貯金や退職金も使い果たした。「財産や家族の信頼、全てを失った」と悔やむ。

 神奈川県警は2月、他人名義のキャッシュカードで現金を引き出したとして横浜市の40代の男2人を窃盗容疑で逮捕し、詐欺グループの存在が浮上した。

 捜査関係者によると、グループが使っていた66口座に15年6月以降、全国の28~88歳の男女31人から計2億7500万円が振り込まれ、半田の男性も含まれていた。「ロト6の当選方法を教える」などとうその電話をかけ、情報料名目での詐欺もしていたという。

 インターネット上にはア社にだまされたとの投稿が多数ある。捜査関係者は「複数のメンバーでさまざまな詐欺を分業的に行う総合詐欺集団」と話す。

 ◇申告ためらい潜在化

 半田市の男性が被害に遭ったケースは「異性との交際あっせん名目詐欺」と呼ばれる。「セレブな女性を紹介する」といった広告を雑誌やスポーツ新聞、インターネット上に出し、契約料などとして金をだまし取る。オレオレ詐欺や還付金詐欺などと同じ特殊詐欺の一つだが、被害の性質上、知られていない。

 警察庁によると、被害認知は2013年に53件(被害総額約1億360万円)で16年は26件(同約1億330万円)。件数は減ったが1件当たりの被害額は増えた。被害者の多くは40~70代の男性。

 捜査関係者は「『自分が悪い』『恥ずかしい』と被害申告をためらう人も多いのでは。潜在的な被害は多いだろう」と分析する。

 国民生活センターによると、異性交際関連サービスを巡る相談は10年以降、年間約560~690件。「保証金を支払ったが女性を紹介してもらえない」「消費者金融を紹介され借金させられた」などの内容が多い。

毎日新聞 8/27(日) 10:30配信 元の記事

全国対応無料相談深夜・「詐欺かな?」と思ったら、今すぐご相談ください。

携帯サイト

QRコード