<知的障害者>被害急増 知らぬ間に出会い系、10万円払え

 障害を持つ人らが詐欺や脅迫まがいの消費者トラブルに巻き込まれるケースが増えている。国民生活センターによると、障害者や認知症などで判断力が不十分な人からの相談は、この10年で1.5倍に増加。事情に詳しい弁護士によると、特に知的障害者は相手の言葉をそのまま受け取る傾向があり、標的になりやすいといい、本人への啓発や周囲の見守りが必要としている。

 ◇消費者相談10年で1.5倍 判断力不足を悪用

 「今日暇ですか?」。昨年末、神戸市内に住む知的障害者の男性(20代)のスマートフォンに突然、見知らぬ女性の名でメールが送られてきた。「誰だろう?」と思いつつ返事を出すと、そのうち女性の写真付きで「料理が得意なんですよ」と自己紹介が届いた。「友達になれるかも」と期待し、求められるまま社員証、保険証、通帳の画像を送信。今年2月、突然10万円を請求された。知らぬ間に出会い系サイトに登録されていた。「払わないと会社や家に連絡する」と脅され、指定口座に現金を振り込んだ。

 翌日も10万円を要求され、振り込もうとした時、母親が気付いた。母親は慌てて口座や電話番号、メールアドレスを変更し、届いたメールも削除した。

 男性は、企業の社員寮で清掃作業の仕事をしており、月給は8万円ほど。おびえた表情で「だまされるとは思わなかった。悲しい」とぽつりと語った。母親は「一生懸命稼いだお金ですが『高い勉強代』とあきらめるしかない」と肩を落とす。送信した個人情報が悪用されたら、との不安は消えない。

 センターによると、障害や認知症がある人からの相談は、昨年度は1万9873件で、2007年度の約1.5倍。全体の件数は約15%減少しており、深刻さがわかる。13~15年度は2万件を超え、高止まりの状態だ。メールやはがきで「訴訟最終告知。連絡しなければ給料や不動産を差し押さえる」「有料サイトについて未納料金がある」などと脅されていた。

 障害者らの法律相談を受ける大阪弁護士会の支援センター「ひまわり」副委員長の辻川圭乃(たまの)弁護士は「同じ手口で何度も引っかかり、しゃぶり尽くされてしまうことが多く、脅されて犯罪グループに入れられてしまったケースもある。本人の異変に気付く人の存在が重要だ」と話している。

毎日新聞 11/26(日) 9:30配信 元の記事

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